彼女を言い負かすのはたぶん無理
- 作者: うれま庄司,しらび
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2010/11/11
- メディア: 文庫
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もともとスマッシュ文庫に対する私の期待値はかなり低めです。イラストを更に増やす、という路線が納得できないからです。それは中身が薄くなると等価じゃね? という疑惑が付きまとうからです。いやいやイラストがないライトノベルも物足りない感があるが、文章が必要以上に薄いライトノベルも物足りない感があります。
が、こいつは中々におもしろかったのです。まさにエロゲ脳によく馴染む。この文庫、どうも一つ前の不定形メイドさんあたりから力の入れ方を修正したような感じがあります。このままだと以前のハルキ文庫か竹書房並みにダークホースになってくれそう。まぁどっちも撤退しちまいましたが。好きだったんですけどね。
題材はディベートです。本気でディベートだけで物語が進んだらどうしようと心配しましたが、そんなことはないので安心しましょう。ヒロインのアイラさんの桜井をからかう掛け合いがすげぇ楽しい。感覚としては狼と香辛料のホロとローレンスにちょっと似てる気がします。この、本当なのか、本当ではないのか、どちらなのか判別つかない状況というのは実に魅力的です。これだけで値段分の価値がありましょう。
この後でラブ! なモードに入るのか! 非常に気になる。関係ないですが、最初の題材、「ドラえもんはのび太にとって(略」は実は私が小学生のときにやらされたディベートの題材と同じなので、少し恥ずかしかったです。小学生にディベートの反論の仕方を理解しろっていうのが無理ですってばよ。たぶん教育モデルみたいなものがあるのでしょうね。
あと更に関係ないですが、ライトノベルにしては珍しく構図が垂直なイラストでした。きっとエロいゲームに汚染さえてないんだろうなぁ。*1