電撃の缶詰の件
リハビリを兼ねて。
色々と整理していたら「電撃の缶詰 創刊号」が出てきました。
「電撃の缶詰」というのはライトノベルの電撃文庫に挟み込んである情報折込紙です。今月の新刊や来月の新刊といった情報が載っており、電撃文庫創刊時から延々現在まで続いている自社広告のようなものです。
この当時、同業同社である角川スニーカー文庫、富士見ファンタジア文庫でも同様の情報折込紙はありましたが、「電撃の缶詰」はそれらに比べると大きな紙を使用し、自社広告にプラス1歩の何かが感じられるものでした。
内容を見て見ましょう。ちなみに電撃文庫の創刊は1993年6月。
紙面サイズはB4、現在の半分の大きさで、赤、黒の2色刷です。
創刊ラインナップ
8月新刊予定
本のお話:あかほりさとる
リトルビットストーリー:深沢美潮
もちまわり四コマ劇場:幼稚園戦記MADARA
クリエイターからのメッセージ(寄せ書き):安田均、黒田幸弘、友野詳、広井王子、重馬敬、大塚英志、中村うさぎ、あかほりさとる、榊涼介、深沢美潮、山本弘、寺田憲史、盛本康成、渡辺麻美、池田恵、松枝蔵人、桐嶋たける、水野良、迎夏生
電撃文庫の始まりが角川スニーカーからの分離であったことがよくわかります。創刊ラインナップのうち、クリスタニアは角川スニーカーで「ロードス島」を書いていた水野良、同じく「極道くん漫遊記」を書いている中村うさぎ、「聖エルザクルセイダーズ」の松枝蔵人、です。
8月刊行予定はスニーカーで「偽書信長伝」を書いた榊涼介、あかほりさとるは「NG戦士ラムネ&40」などをスニーカーから出していました。
メッセージを寄せている深沢美潮は担当編集者がスニーカーから電撃文庫に異動したため、「フォーチュンクエスト」が「新フォーチュンクエスト」に変わり、完全に電撃に移行したんだそうな。
その頃ライトノベル(とうか当時はファンタジー小説と呼ばれてた)で最大勢力を誇っていただろう富士見ファンタジアの影響は、同じ角川系でも皆無に等しい状態です。
こうして見返してみると中々に感慨深いものがありますね。ここに名前が載っているうち、今でも電撃文庫で作家している人は何人いるんだろうか、とか。*1電撃文庫はこうしてスニーカーの看板作家、準看板作家を引き抜いてスタートするわけですが、順風満帆とはいかず、ブギーポップが当たるまでの苦難の道のりが続くわけです。*2
以下続かない。